介護施設の求人票の書き方——応募が集まる4つのコツと、2024年法改正の必須項目

事務スペースで求人票を作成する介護施設のスタッフ
この記事の目次
  1. 応募が集まらない求人票には、共通点がある
  2. 【2024年4月の法改正】求人票に必ず書くべきこと
  3. ポイント1:仕事内容欄の「最初の3行」で心をつかむ
  4. ポイント2:「どんな人に来てほしいか」を具体的に描く
  5. ポイント3:給与は「数年後」、やりがいは「エピソード」で見せる
  6. ポイント4:介護ならではの不安に、先回りして答える
  7. やってはいけないNG表現に注意する
  8. まとめ:求人票は「入口」、ホームページは「受け皿」

「求人を出しても、応募が来ない」——介護施設の経営者や採用担当者の方から、もっともよく聞くお悩みです。

介護関係職種の有効求人倍率は全産業平均を大きく上回り、3倍を超える高い水準が続いています。多くの施設が同じように求人を出しているなかで、求職者に「ここで働いてみたい」と思ってもらうのは、簡単なことではありません。

ただ、応募が集まらない原因の多くは、求人を出す「媒体」ではなく、求人票そのものの「書き方」にあります。同じ施設・同じ給与でも、伝え方しだいで応募者の反応は大きく変わるからです。

この記事では、応募が集まる介護の求人票の書き方を、2024年の法改正で追加された必須項目から、応募を増やす具体的なコツ、やってはいけないNG表現まで、順番に整理します。

応募が集まらない求人票には、共通点がある

求人を出しても反応がない施設の求人票には、いくつかの共通点があります。

  • ハローワークに一度出したきりで、数年前の情報のままになっている
  • 仕事内容が「介護業務全般」のひと言で終わっている
  • どの施設にも当てはまる、ありきたりな表現しか書かれていない
  • 給与や休日などの条件があいまいで、働くイメージがわかない

求職者は、何件もの求人を並べて見比べています。情報が少なく、特徴も伝わらない求人票は、その時点で候補から外れてしまいます。

逆に言えば、媒体や予算を変えなくても、求人票の書き方を見直すだけで応募数は変わります。求人票は、求職者があなたの施設に最初に触れる「顔」です。まずはここを整えることが、採用の第一歩になります。

【2024年4月の法改正】求人票に必ず書くべきこと

応募を増やす工夫の前に、押さえておきたいのが「法律上、必ず書かなければならない項目」です。記載漏れは法令違反になるだけでなく、入職後の「話が違う」というトラブルや、早期離職の原因にもなります。

職業安定法にもとづき、求人を出す際には、業務内容・契約期間・就業場所・始業終業の時刻や休憩休日・賃金・加入する社会保険・試用期間の有無などを明示する必要があります。

さらに2024年4月の改正で、次の3つの項目が新たに明示すべき事項として加わりました。

  • 従事すべき業務の「変更の範囲」——採用後に担当する可能性のある業務の範囲
  • 就業場所の「変更の範囲」——転勤や異動の可能性がある範囲
  • 有期労働契約を更新する場合の基準——更新の有無や判断基準、更新回数・通算期間の上限があればその内容

注意したいのは、この追加項目がハローワークの求人だけでなく、自社のホームページや求人サイト、SNSで募集する場合にも対象になるという点です。ハローワークの様式は改正に対応済みですが、自社で求人ページを作っている施設は、項目の追加を忘れないようにしましょう。

なお、媒体の文字数の都合などですべてを書ききれない場合でも、面接の前までに労働条件のすべてを応募者へ明示することが必要です。

ポイント1:仕事内容欄の「最初の3行」で心をつかむ

ここからは、応募を増やすための具体的な書き方です。

求職者は、求人をスクロールしながら次々に見比べています。そのなかで読まれるかどうかは、仕事内容欄の「最初の3行」で決まると言っても過言ではありません。

「介護業務全般。食事・入浴・排泄の介助など」——こう書き出してしまうと、どの施設の求人とも区別がつきません。そうではなく、最初の3行に、その施設のいちばんの強みを持ってきます。

たとえば「日勤のみ・残業ほぼなし」「未経験から介護福祉士をめざせる」「20代から60代まで活躍中」など、ひと目で伝わる特徴を先頭に置く。それだけで、続きを読んでもらえる確率は大きく上がります。

ポイント2:「どんな人に来てほしいか」を具体的に描く

「無資格・未経験OK」とだけ書かれた求人を見て、自分のことだと感じる人は多くありません。応募のきっかけは、「これは自分に向いている求人だ」と思えるかどうかです。

そのためには、求める人物像を具体的に描くことです。「人と話すのが好きな方」「ブランクから復帰したい方」「子育てと両立しながら長く働きたい方」——来てほしい人の姿が見えるほど、その人からの応募は増えます。

あわせて、働き始めてからの毎日がイメージできるように書くことも大切です。始業から終業までの一日の流れや、「日勤帯は介護スタッフ○名体制」といった人員配置を載せると、求職者は自分が働く姿を具体的に思い描けます。

ポイント3:給与は「数年後」、やりがいは「エピソード」で見せる

給与欄に基本給だけを書くより、手当や賞与を含めた月収・年収のモデルケースを示すほうが、ずっと伝わります。

さらに「入職1年目」「5年目」のように、勤続年数ごとのモデルを並べてみてください。数年後の収入の見通しが立つと、「長く働けそうだ」という安心につながります。固定残業代がある場合は、その金額と時間数を必ず明記しましょう。あいまいなままにすると、入職後のトラブルのもとになります。

そして、介護の仕事の魅力は、業務の手順そのものよりも「やりがい」にあります。「利用者さんから『あなたで良かった』と言ってもらえた」——そんな短いエピソードをひとつ添えるだけで、職員がどんな思いで働いているかが伝わり、その思いに共感した人からの応募が増えます。

「アットホームな職場です」という言葉だけで終わらせないことも大切です。介護職の離職理由の上位には、いつも「職場の人間関係」が挙がります。だからこそ求職者は雰囲気を気にしています。「未経験者には3か月のあいだ先輩がOJTでつく」など、具体的な事実で安心感を伝えましょう。

ポイント4:介護ならではの不安に、先回りして答える

介護の求人には、求職者が必ず気にする、この業界ならではの確認ポイントがあります。あいまいにせず、先回りして答えておきましょう。

  • 夜勤——有無、月あたりの回数、夜勤手当の金額まで。日勤のみで働けるなら、それも大きな強みです
  • 資格——「無資格可」「初任者研修以上」「介護福祉士」など応募できる条件を明確に。資格取得支援制度があれば必ず書く
  • 施設形態と利用者層——特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、デイサービスなど、施設の種類で仕事内容は大きく変わります
  • 歓迎する層——「未経験歓迎」「ブランクのある方歓迎」「ミドル・シニア活躍中」など、来てほしい層をはっきり示す

こうした情報が最初から書かれていると、求職者は安心して応募できますし、入職後の「思っていたのと違う」というミスマッチも防げます。

やってはいけないNG表現に注意する

良かれと思って書いた表現が、法令違反になってしまうことがあります。代表的なものを知っておきましょう。

まず、年齢です。「35歳まで」「若い方歓迎」のように、年齢を理由に応募を制限する表現は原則として禁止されています。例外が認められるのは、定年を上限とした期間の定めのない募集など限られたケースで、その場合は法令上の根拠を明記する必要があります。

性別も同じです。「女性のみ」「男性歓迎」のように性別で応募を限定する表現はNGです。なお「女性が活躍しています」のように、職場の状況を説明する表現は問題ありません。

そして、実態と異なる好条件を書くことは避けてください。求人票を魅力的に見せようとするあまり、実際の労働条件とずれた内容を書くと、入職後のトラブルや早期離職に直結します。求人票で大切なのは、「盛ること」ではなく「伝わるように書くこと」です。

まとめ:求人票は「入口」、ホームページは「受け皿」

応募が集まる介護の求人票のポイントを、もう一度整理します。法律上の必須項目(2024年4月に追加された「変更の範囲」3項目を含む)を満たしたうえで、仕事内容欄の最初の3行で強みを伝え、来てほしい人物像・一日の流れ・給与のモデルケース・やりがいのエピソードを具体的に書く。NG表現を避けて、実態どおりに伝える。これだけで、求人票の力は大きく変わります。

ただ、もうひとつ大切なことがあります。求人票を見て興味を持った求職者は、応募する前に、ほぼ必ず施設名でインターネット検索をします。そのときに、情報の少ないホームページしか見つからなかったり、そもそもホームページがなかったりすると、せっかく高まった応募意欲が、そこで止まってしまいます。

求人票は「入口」、ホームページや採用ページは「受け皿」です。両方がそろって初めて、応募という成果につながります。応募が来ない原因をもっと広く見直したい方は、介護施設の求人に応募が来ない本当の理由もあわせてご覧ください。

合同会社QOLでは、介護施設に特化したホームページ制作と、応募のハードルを下げる採用ページ・LINEを使った採用導線づくりをお手伝いしています。「求人票は見直したけれど、受け皿となるホームページに不安がある」という施設様は、ぜひ一度無料相談をご利用ください。介護現場22年・介護福祉士の代表が、採用と集客の両面からご相談に応じます。

この記事を書いた人
中山 孔太(ナックル)
合同会社QOL 代表 / 介護福祉士・ケアマネジャー / 介護現場22年
介護現場22年の経験を活かし、介護事業者向けのHP制作とLINE構築を行っています。「介護事業のWEB集客・採用の専門家」として、現場のリアルを踏まえたWEB戦略をお届けします。
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中山 孔太(ナックル)