介護施設のホームページで「一日の流れ・過ごし方」ページをどう作るか

介護施設のホームページで「一日の流れ・過ごし方」ページをどう作るか
この記事の目次
  1. 家族が本当に知りたいのは「料金」と「どう過ごすか」
  2. タイムテーブルで一日を見せる(起床〜就寝、写真とセットで)
  3. 平日だけでなく、行事・レク・季節も見せる
  4. 食事の見せ方(写真の力、メニュー例)
  5. 「うちの母でも過ごせそう」と想像してもらう書き方
  6. スマホでの見やすさと、更新できる作り
  7. まとめ

「一日の流れのページって、どこまで書けばいいんでしょうか」——先日、ある特別養護老人ホームのご担当者から、こんな相談をいただきました。ホームページを作り直すとき、多くの施設が最後まで悩むのがこのページです。

写真は何枚いるのか。時間は分刻みで書くのか。私はいつも「難しく考えなくて大丈夫です」とお答えしています。介護の現場に22年いて、今もケアマネ(介護支援専門員)として現場に立ちながら感じるのは——ご家族が本当に知りたいのは、突き詰めるとたった二つ、ということです。

料金と、「うちの家族はここで、どんな一日を過ごすのか」。この二つです。パンフレットには載っていない後者を、正直に見せられるのがホームページの強みだと思います。

この記事では、その「どう過ごすか」を伝える一日の流れページについて、次の3点を整理します。

  • タイムテーブルと写真で、朝から夜までを見せる
  • 行事・レク・食事という「日常の少し外側」も見せる
  • ご家族が自分の親を重ねられる書き方と、スマホ・更新のこと

家族が本当に知りたいのは「料金」と「どう過ごすか」

まず結論から。一日の流れページの役割は、「安心」を渡すことです。設備の立派さでも、理念の格好よさでもありません。

なぜなら、入居を考えるご家族の多くは、罪悪感を抱えているからです。「親を施設に預けていいのか」——その迷いの中で、施設のホームページを開きます。そこで見たいのは、豪華な外観よりも、親が笑って過ごしている日常のほうです。

私が現場で見てきたご家族も、同じでした。見学の前にホームページの写真を何度も見返し、「ここなら大丈夫そう」という手ごたえを持ってから足を運びます。第一印象の大切さは施設は第一印象で選ばれるという記事でも書きましたが、その第一印象を最も強くつくるのが、この一日の流れページだと思っています。

そしてもう一つが料金です。ここで一つ、置き場所のコツを。料金表は、暮らしの写真を見せた「直後」に置くと効きます。金額だけを冷たく並べるより、「こう過ごせて、この金額」と伝わるからです。この順番の話は料金は写真の直後に置くと効くという記事にまとめています。一日の流れと料金は、切り離さずに設計するのがおすすめです。

タイムテーブルで一日を見せる(起床〜就寝、写真とセットで)

一日の流れは、時刻とひとことを並べたタイムテーブルが基本です。凝ったデザインはいりません。起床から就寝まで、順番に並べるだけで十分です。

たとえば、こんな骨組みで組みます。

  • 7:00 起床・整容——朝の身支度をスタッフがお手伝い
  • 8:00 朝食——食堂でみなさんと一緒に
  • 10:00 体操・機能訓練——無理のない範囲で体を動かす
  • 12:00 昼食、午後はレクや入浴、おやつ
  • 18:00 夕食、就寝までゆっくり

ポイントは、時刻の横に必ず写真を添えることです。文字だけの表は、正直あまり伝わりません。朝の体操、お風呂上がりの一杯のお茶、午後のおやつ——その場面の写真が一枚あるだけで、読む人の頭の中に情景が浮かびます。

写真は、プロが撮った完璧な一枚でなくて構いません。むしろスタッフがスマホで撮った、少し生活感のある写真のほうが伝わることも多いです。大切なのは、写る利用者さんの表情がやわらかいこと。作り込みすぎない自然さが、かえって信頼になります。

なお、時間は分刻みで書かなくて大丈夫です。「だいたいこのくらい」で十分。細かく書きすぎると、かえって窮屈な印象を与えてしまいます。

平日だけでなく、行事・レク・季節も見せる

タイムテーブルが「いつもの一日」だとすれば、行事やレクリエーションは「特別な日」です。この両方を見せてほしいと思います。

理由は単純で、ご家族は「うちの親が退屈しないか」を心配しているからです。毎日同じことの繰り返しではないか——その不安に、行事の写真が答えてくれます。

難しい企画はいりません。多くの施設がすでにやっていることを、そのまま載せればいいのです。

  • 春はお花見、夏は夏祭りや流しそうめん
  • 秋は敬老会や紅葉ドライブ、冬はクリスマスやお正月
  • 毎月の誕生日会、書道や園芸などの日常レク

私が以前かかわった施設で、夏祭りの様子を数枚載せたことがあります。浴衣を着た利用者さんが笑っている写真です。すると見学に来たご家族が「この写真を見て、ここにしようと思いました」と話してくれました。立派な設備の説明ではなく、一枚の楽しそうな写真が、決め手になったのです。

食事の見せ方(写真の力、メニュー例)

一日の流れの中で、食事は特別に力を入れてほしい部分です。なぜなら、ご家族が最も気にかけるのが「ちゃんと食べられているか」だからです。

私自身、介護福祉士として現場に立ってきて、面会に来たご家族から一番よく聞かれるのが食事のことでした。「母は好き嫌いが多くて」「父は柔らかいものしか食べられなくて」——その心配に、写真とメニューで先に答えておくのです。

見せ方のコツは、次のあたりです。

  • 実際の献立を、湯気が伝わるような写真で数枚
  • 行事食(お正月のおせち、土用の丑のうなぎなど)の特別感
  • きざみ食・ミキサー食など、状態に合わせた対応があること

特に、きざみ食やミキサー食といった、噛む力・飲み込む力に合わせた食事に対応していることは、はっきり書いておくと安心されます。「うちの親の状態でも食べられる」と分かるからです。ここは遠慮せず、具体的に。

ただし、毎日の献立を全部載せる必要はありません。一週間のメニュー例が一つあれば十分。あとは季節の行事食を、そのつど数枚足していけば、食卓の豊かさは伝わると思います。

「うちの母でも過ごせそう」と想像してもらう書き方

ここが、一日の流れページの核心だと私は思っています。目指すのは、読んだご家族に「うちの母でも、ここなら過ごせそう」と想像してもらうことです。

そのために大事なのは、施設側の主語を、利用者さんの主語に置き換えることです。「当施設では機能訓練を実施しています」ではなく、「朝の体操のあと、〇〇さんはいつものお茶を一杯」。後者のほうが、生活の匂いがします。

書き方のヒントを、いくつか挙げておきます。

  • 「〜できます」より「〜して過ごされます」と、暮らしの視点で書く
  • すべてを完璧に見せず、ゆっくりできる時間があることも伝える
  • スタッフの声かけや距離感が伝わる、ひとことを添える

もう一つ、予定をびっしり詰めて見せないことも大切です。ご家族が求めているのは、忙しい一日ではなく、穏やかな一日。「午後はゆっくりお過ごしいただけます」の一文が、かえって安心につながることもあります。

正直に申し上げると、この書き方をしたからといって、見学や入居が必ず増えるとは言えません。ただ、来てくださったご家族が「思っていた通りの場所でした」と感じるかどうかは、変わってくるはずです。写真と言葉が、来る前と来た後をつないでくれるからです。

スマホでの見やすさと、更新できる作り

最後は、作り方の話です。結論から言うと、大事なのは二つ。スマホで見やすいことと、あとから自分たちで更新できることです。

まずスマホから。このページを見るご家族の多くは、パソコンではなくスマートフォンで開きます。だからタイムテーブルは、横長の凝った表ではなく、縦にすっと読める並びが向いています。写真も、小さくて何が写っているか分からない、では意味がありません。指でスクロールしながら情景が入ってくる作りが理想です。

もう一つが更新のしやすさです。行事や季節の写真は、時間が経つほど価値が出ます。逆に去年の夏祭りのまま止まっていると、「今も動いているのかな」と不安を与えかねません。専門知識がなくても写真を差し替えられる作りにしておくのがおすすめです。

そして忘れてはいけないのが、このページを見ているのはご家族だけではない、ということです。実は、求職者もよく見ています。どんな一日を利用者さんと過ごすのかは、そのまま「ここで働くとどうなるか」の情報になるからです。求職者の視点については求職者はHPのここまで見ているという記事で詳しく書きました。一日の流れページは、集客と採用の両方に効く——そう考えると、手をかける価値は十分にあると思います。

まとめ

一日の流れページについて、要点を整理します。

  • ご家族が知りたいのは「料金」と「どう過ごすか」。料金は暮らしの写真の直後に置く
  • 起床〜就寝のタイムテーブルは、必ず写真とセットで見せる
  • 平日だけでなく、行事・レク・季節の写真で「特別な日」も見せる
  • 食事は写真とメニュー例で、状態に合わせた対応まではっきり書く
  • 利用者さんを主語に書き、スマホで見やすく、更新できる作りにする

難しく考える必要はありません。すでに施設でやっていることを、そのまま、正直に見せる。それが一日の流れページの本質だと思います。特別なイベントを新しく作るのではなく、いつもの朝、いつもの食卓、いつもの午後を、丁寧にすくい取ればいいのです。

現場が根本で、ホームページはその補助です。けれど、その補助が、迷っているご家族の背中をそっと押すことはあります。あなたの施設の穏やかな一日が、必要としている誰かに、きちんと届きますように。

この記事を書いた人
中山 孔太(ナックル)
合同会社QOL 代表 / 介護福祉士・ケアマネジャー / 介護現場22年
介護現場22年の経験を活かし、介護事業者向けのHP制作とLINE構築を行っています。「介護事業のWEB集客・採用の専門家」として、現場のリアルを踏まえたWEB戦略をお届けします。
代表挨拶ページを見る →
中山 孔太(ナックル)